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サマリーブロック
耐摩耗部品、炉内治具、構造用鋳物の調達をご検討の企業さまに向けて、喬富紳鋳造(Chiao Fu Shen Foundry/QFS)は、高マンガン鋳鋼・高クロム鋳鉄・耐熱鋳鋼・合金鋼鋳鋼品・球状黒鉛鋳鉄による鋳造部品を製造する台湾の鋳造メーカーです。図面の材質記号だけでなく、実際の使用環境を起点とした材質提案、熱処理条件の管理、輸出実績にもとづく品質書類の整備により、海外 OEM のお客さまをご支援しております。
はじめに
鋳造材料の選定は、材質名からではなく「使用環境」から始めるべきものです。まず部品の支配的な破損モード——摩耗、衝撃、高温、腐食、寸法変化——を見極め、そのうえで材料系統を対応させます。摩耗には高クロム鋳鉄、繰り返し衝撃には高マンガン鋳鋼、炉内高温には耐熱鋳鋼、構造強度には合金鋼、コストと靱性の両立には球状黒鉛鋳鉄、という対応関係です。
鋳造メーカーの技術部門に持ち込まれる不具合の多くは、実は工程の失敗ではありません。湯回りは正常、寸法検査も合格、出荷も問題なし。ところが六週間後、部品が割れ、欠け、変形し、あるいは摩耗し切った状態で戻ってきます。原因は、図面に指定された材質が、その部品が実際に受ける負荷を想定して選ばれていなかったことにあります。
本記事は、見積依頼書(RFQ)を出す前にその判断をご自身で行いたい研究開発技術者、装置メーカー、保全調達、製品設計のご担当者に向けたものです。工業用鋳鋼・鋳鉄の大半を占める五つの材料系統を、合金の分類ではなく「部品が耐えるべき条件」を軸に比較いたします。
なぜ材料選定が鋳物の成否を決めるのでしょうか
材料は、その鋳物がどの破損モードに耐えられるかを決定します。工程管理をどれだけ徹底しても、材質選定の誤りを補うことはできません。同一の条件下でも、純粋な摩耗環境であれば高クロム鋳鉄の寿命は高マンガン鋳鋼を大きく上回ります。一方、破砕のような衝撃環境では、高マンガン鋳鋼が変形しながら機能し続ける場面で、高クロム鋳鉄は割れてしまいます。どちらも冶金的には健全な鋳物であり得ますが、正しいのは一方だけです。
この判断に技術的な工数を割く価値があるのは、コストの非対称性にあります。鋳物は装置全体の原価からみればわずかな比率にすぎませんが、その装置の保全周期を決めてしまいます。破砕機のライナーの交換頻度が本来の二倍になったとき、失われるのはライナーの代金ではなく、停止時間、人件費、生産機会、そして倉庫に滞留する予備部品在庫です。
ここから、三つの実務的な帰結が導かれます。
- 材料が、実現可能な形状を決めます。 高クロム鋳鉄は硬化状態では通常の工具で切削できません。「熱処理後に機械加工する」という前提の設計であれば、材質選定は図面の段階ですでに破綻しています。
- 材料が熱処理の工程を決め、熱処理が変形量を決めます。 水焼入れした高マンガン鋳鋼は変形します。炉内の耐熱鋳鋼治具はクリープします。いずれも木型製作の前に、公差の積み上げへ織り込んでおく必要があります。
- 材料が決めるのは単価ではなく、コスト曲線です。 合金成分、熱処理時間、切削の難易度、不良率は互いに積み重なります。同じ「耐摩耗プレート一枚」でも、材質だけで見積が三倍変わることがあります。
【内部リンク:鋳造方案の比較——砂型鋳造・レジンシェルモールド・精密鋳造】
使用環境からどのように整理すればよいでしょうか
まず、その部品が実際に受けている負荷を順位づけることから始めます。多くの部品は複数の負荷を同時に受けますが、支配的なものは一つだけです。摩耗材の種類と粒径、衝撃エネルギー、最高温度と保持温度、化学環境、そして使用後にも保持すべき公差を書き出してください。支配的な条件が材料系統を決め、二次的な条件が材質等級・熱処理・肉厚を絞り込みます。
摩耗
摩耗には明確に異なる二つの形態があり、選ばれる材料も異なります。低応力摩耗——砂、スラリー、粉塵が表面を滑走する状態——には、母材硬さと硬質炭化物が有効です。高応力・掘削型摩耗——被削材が表面に押しつけられて破砕される状態——は切削と衝撃の複合であり、「硬いだけ」の材料は割れます。
判断の問いは単純です。摩耗材は部品の上で「砕かれて」いるのか、それとも「滑って」いるのか。滑走であれば高クロム鋳鉄、破砕であれば高マンガン鋳鋼が適します。
高温
およそ 425°C を超えると、一般的な炭素鋼・低合金鋼の鋳鋼品は実用強度を失い、スケールが発生し始めます。650°C を超えると支配的な破損モードが一変します。クリープ(持続荷重下での緩慢な変形)、熱疲労(加熱と冷却の繰り返しによる割れ)、浸炭、酸化です。これらの環境ではクロム・ニッケル系の耐熱鋳鋼が必要となり、同時に設計者側にも「寸法変化は不良ではなく正常な現象である」という前提の受け入れが求められます。
衝撃
ほぼすべての材料系統において、衝撃靱性と硬さは相反します。したがって材質を決める前に、衝撃を定量化する必要があります。ハンマークラッシャのハンマー、鉄道分岐器のクロッシング、バケットの爪はいずれも「衝撃部品」ですが、一回あたりのエネルギーは桁違いに異なります。基準となるのは JIS Z 2242 によるシャルピー衝撃試験値です。低温環境で使用される場合は、常温値ではなく、実際の最低使用温度における衝撃値をご指定ください。
腐食
腐食は、「一見明らかな答え」を消去してしまう二次条件となることがよくあります。高クロム鋳鉄はクロムを 15〜28% 含有するため、スラリー環境において通常の耐摩耗鋼にはない耐食上の優位性を持ちます。環境がより厳しい場合——酸、塩化物、高温硫黄など——選定は耐食ステンレス鋳鋼(JIS G 5121 の SCS14、ASTM A743 CF8M 相当)へ移り、耐摩耗性はむしろ二次的な要件となります。
寸法安定性
寸法安定性は、見積依頼書から最も抜け落ちやすく、かつ後工程での不合格の原因として最も多い条件です。要因は三つあります。凝固に伴う残留応力、熱処理中の変形、そして使用中の熱サイクルによる寸法変化です。
球状黒鉛鋳鉄とねずみ鋳鉄は寸法的に扱いやすく、制振性にも優れます。機械のベースやハウジングが鋳鋼ではなく鋳鉄で製作されるのはこのためです。高マンガン鋳鋼の熱膨張係数は炭素鋼より約 40〜50% 大きく、はめあい部を持つ組立品では無視できません。炉内で使用される耐熱治具は、必ず伸び、たわみます。設計はそれを許容する必要があります。
高マンガン鋳鋼はどのような場合に選ぶべきでしょうか
高マンガン鋳鋼(ハドフィールド鋼、JIS G 5131 SCMnH 系/ASTM A128 相当)は、部品が繰り返しの高エネルギー衝撃を受け、「割れるのではなく変形してほしい」場合に選定します。特徴は加工硬化です。溶体化処理後のオーステナイト組織は硬さ約 200 HB と軟らかいのですが、衝撃を受けると表層が変態して 500 HB 以上まで硬化し、内部は靱性を保ちます。使用しながら部品自身が硬くなっていく材料です。
この機構は、そのまま限界にもなります。衝撃がなければ、加工硬化も起こりません。 乾燥砂を流すシュートライナーのような低応力の滑走摩耗では、高マンガン鋳鋼は硬化層を形成せず、適切に選定された高クロム鋳鉄より早く摩耗します。これが本材料の最も多い誤用です。
ご指定いただくべき条件は次のとおりです。
- 溶体化(靱化)熱処理は必須条件であり、付加的な工程ではありません。 鋳物を約 1,040〜1,095°C に加熱し、水中で急冷して粒界炭化物を固溶させます。これを行わなければ材料は脆いままです。該当ロットの実際の炉温記録をサプライヤーにご請求ください。
- 肉厚が結果を左右します。 厚肉部は冷却が遅く、内部での炭化物析出により靱性が低下します。木型製作前に、断面設計について鋳造メーカーとご相談ください。
- 切削加工は困難かつ高コストです。 材料は刃先の下で加工硬化します。可能な限り鋳肌のまま使用する設計としてください。加工が避けられない場合は、研削、高剛性の治具、ネガすくい角の超硬工具、低速切削をご想定ください。
- 非磁性であり、通常のガス切断ができません。 治具、選別、現場での修正方法に影響します。
主な用途:ジョークラッシャの歯板、コーンクラッシャのマントル・コンケーブ、ハンマークラッシャのハンマー、破砕機の耐摩耗部品、浚渫部品、鉄道分岐器クロッシング。
高クロム鋳鉄が耐摩耗の標準解とされるのはなぜでしょうか
高クロム鋳鉄(ASTM A532)は、一般的な鋳造材料のなかで最も高い耐摩耗性を示します。理由は、母材中に M7C3 型クロム炭化物が高い体積率で存在するためです。これらの炭化物は、摩耗の主因である石英や珪砂よりも明確に硬い組織です。脱安定化熱処理後の全体硬さは通常 58〜64 HRC に達し、炭化物自体の硬さはさらに高くなります。
代償は明確です。脆いのです。衝撃靱性は低く、掘削型の衝撃では欠け、割れます。これは耐摩耗材料であって構造材料ではありません。破砕衝撃ではなく、滑走摩耗・エロージョン摩耗にご指定ください。
なお、高クロム鋳鉄には汎用的な JIS 等級が定められていないため、実務上は ASTM A532(Class II/Class III)を引用して指定するのが一般的です。
設計・調達上の意味は次のとおりです。
- 鋳肌または研削仕上げでの納品を前提に設計してください。 硬化後の高クロム鋳鉄は通常の方法では加工できません。加工が必要な場合は焼なまし状態で加工したのち硬化させますが、その硬化工程が再び変形を公差の積み上げへ持ち込みます。
- 部品を確実に支持してください。 脆性の耐摩耗ライナーは、剛性の高い裏当てとボルトの適正な締結によって寿命が大きく伸びます。「材料不良」とされる事例の多くは、実際には取付けの不良です。
- 硬さの数値だけでなく、熱処理仕様をご請求ください。 同じ 60 HRC を提示する二社でも、炭化物の形態と実際の寿命は大きく異なる場合があります。
主な用途:スラリーポンプのケーシング・インペラ、ショットブラスト機のブレード・ライナー、ミルライナー、セメントプラント部品、鉱山・選鉱用の耐摩耗部品。
【高クロム鋳鉄(ASTM A532)——等級・熱処理・用途】
https://www.qfs-casting.com/ja/high-chromium-cast-iron
熱処理治具や炉内部品にはどの材質が適しているでしょうか
熱処理治具、バスケット、トレー、炉内ローラー、ラジアントチューブ、バーナー部品、そしておおむね 650°C を超える環境で使用されるすべての部品に対する実務的な解は、耐熱鋳鋼(JIS G 5122 の SCH 系/ASTM A297 の HH・HK・HP 型)です。クロムが耐酸化性をもたらし、ニッケルがオーステナイト組織を安定させ、耐浸炭性と耐熱疲労性を高めます。
高温域では、設計の原則そのものが変わります。
- 支配するのは降伏強さではなく、クリープです。 常温で十分な強度を持つ治具でも、1,000°C では自重でたわみます。許容応力は、常温の強度表ではなく、使用温度におけるクリープ破断データから設定してください。
- 熱疲労は断面変化によって生じます。 肉厚が急変する箇所に熱ひずみが集中し、最初に割れます。均一な断面、大きなすみ肉半径、軽量化は、材質を格上げするよりも確実に治具寿命を伸ばします。
- 浸炭は静かな破壊要因です。 浸炭雰囲気では炭素が合金内部へ拡散し、脆化させ、治具を内側から破壊します。ニッケル含有量が高いほど耐性は上がります。材質選定は温度だけでなく、炉内雰囲気に従うべきです。
- 寸法変化を受け入れてください。 治具は伸び、たわみます。設計段階でクリアランスを確保し、変形を不良として扱うのではなく、交換周期を計画してください。
球状黒鉛鋳鉄と合金鋼——強度・被削性・コストをどう両立させるか
耐摩耗部品でも耐熱部品でもなく、構造部品である場合、選択は球状黒鉛鋳鉄と合金鋼鋳鋼品のあいだに絞られ、判断軸は強度要求・溶接性・コストとなります。球状黒鉛鋳鉄(JIS G 5502 の FCD400〜FCD700/ASTM A536 相当)は、良好な耐力、優れた被削性、高い制振性、そして低い単位質量あたりコストを備えます。合金鋼鋳鋼品(JIS G 5101 の SC 系、JIS G 5111 の SCMn・SCCrM 系/ASTM A148、A216 WCB 相当)は、より高い靱性、低温・高温いずれにおいても優れた強度、そして完全な溶接性を提供します。
球状黒鉛鋳鉄が適するのは、荷重が主として圧縮または中程度の引張である場合、切削加工量が多い場合、制振性が求められる場合(機械ベース、ハウジング、ギヤボックスケース)、そして単価が主要な判断基準である場合です。ニアネットシェイプでの鋳造性と低い加工コストにより、「鋳鋼でも技術的には成立する」場面においてさえ、総コストで最も有利な解となることが少なくありません。
合金鋼鋳鋼品が適するのは、部品が安全上重要な部位である場合、組立品へ溶接する必要がある場合、衝撃荷重を受ける場合、氷点下で使用される場合、あるいは特定の強度・靱性の組合せへ熱処理する必要がある場合です。焼入焼戻しによる特性の調整幅は、球状黒鉛鋳鉄では得られないものです。
中間的な選択肢として、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄(ADI、JIS G 5503 の FCAD 系/ASTM A897 相当)も押さえておく価値があります。多くの鋳鋼に匹敵する引張強さを、約 10% 低い密度で実現し、オーステンパ処理前の被削性にも優れます。コストが問われる歯車、サスペンション部品、高強度構造部品において、現実的な選択肢となります。
鋳造材料 選定対照表
| 使用条件 | 推奨材質 | 代表的特性 | 主な用途 | 調達上の留意点 |
| 高衝撃摩耗(掘削型) | 高マンガン鋳鋼(JIS G 5131 SCMnH/ASTM A128) | 溶体化後 約 200 HB、衝撃により 500 HB 以上へ加工硬化 | 破砕機歯板、マントル・コンケーブ、ハンマー、鉄道クロッシング | 溶体化処理の炉温記録が必須。切削が極めて困難。熱膨張が大きい |
| 高摩耗(滑走・エロージョン) | 高クロム鋳鉄(ASTM A532) | 脱安定化処理後 58〜64 HRC | ショットブラストのブレード・ライナー、スラリーポンプ部品、ミルライナー、セメント・鉱山用耐摩耗部品 | 脆性のため衝撃用途は不可。硬化後は加工不可。硬さ値だけでなく熱処理仕様の確認を |
| 高温・炉内環境 | 耐熱鋳鋼(JIS G 5122 SCH 系/ASTM A297 HH・HK・HP) | 使用温度でのクリープ破断データにより選定 | 熱処理治具・バスケット、炉内ローラー、ラジアントチューブ、バーナー部品 | クリープと変形は正常な挙動。耐浸炭性はニッケル量に依存 |
| 構造強度・溶接性 | 合金鋼鋳鋼品(JIS G 5101/G 5111、ASTM A148・A216 WCB) | 引張強さ 約 450〜1,030 MPa(等級による) | 機械構造部品、ブラケット、安全上重要な部品 | 特性は熱処理で決まる。衝撃値は実使用温度で指定を |
| コストと靱性の両立 | 球状黒鉛鋳鉄(JIS G 5502 FCD)、ADI(G 5503 FCAD) | 引張強さ 約 400〜700 MPa | 機械ベース、ハウジング、ギヤボックスケース、一般機械部品 | 黒鉛球状化率の確認を。約 350°C 超では不適。耐摩耗性は低い |
材料選定は加工・熱処理・総コストにどう影響するのでしょうか
材料選定が総コストに与える影響は、材料単価に与える影響をはるかに上回ります。切削工数、熱処理の炉回数、不良率、そして使用寿命のすべてを左右するためです。見積書上の材料費は、これらのなかで最も小さい項目であることが珍しくありません。「kg 単価」だけで比較される調達判断は、しばしば結果的に高い方を選んでしまいます。
契約前に見積もっておくべきコスト要因は四つです。
- 被削性。 高マンガン鋳鋼と硬化後の高クロム鋳鉄は、実務上「削る」のではなく「研ぐ」材料です。これらに精密な加工面を要求する図面では、工具費と加工時間が単価を支配します。鋳肌のまま使用する設計への変更が、最大の削減余地となることが多くあります。
- 熱処理。 溶体化処理、脱安定化処理、焼入焼戻し、応力除去焼なまし——いずれも炉時間、搬送、変形代を追加します。熱処理は寸法リスクが集中する工程であり、低価格のサプライヤーが目に見えない形で手を抜きやすい工程でもあります。
- 削り代と公差等級。 鋳鋼品は通常 JIS B 0403(ISO 8062 に整合)の CT 等級で見積もられます。工程能力を超える公差を要求しても、得られるのは精度ではなく不良品です。図面確定前に、達成可能な公差を鋳造メーカーとご確認ください。
- 使用寿命と停止コスト。 支配的なコストは、ほとんどの場合、鋳物そのものではありません。「一個あたりのコスト」ではなく「稼働一時間あたりのコスト」で評価してください。単価が 40% 高くても寿命が二倍のライナーは、停止時間と人件費を含めれば明快に有利です。
三つの選定シナリオ
シナリオ 1|骨材プラントの破砕機歯板。 条件は、石が歯板の上で破砕される状態、すなわち高い衝撃エネルギーを伴う掘削型摩耗です。高クロム鋳鉄では初日のシフトで欠けます。選定:高マンガン鋳鋼 SCMnH(ASTM A128 Grade B-3 相当)。溶体化処理記録の検証と、鋳造メーカーとの肉厚設計の検討を行い、加工はボルト穴と取付面に限定することを前提とします。
シナリオ 2|ショットブラスト機のライナーとブレード。 条件は高速のスチールショットによる滑走・エロージョン摩耗で、大きな衝撃はほぼありません。高マンガン鋳鋼はここでは加工硬化せず、急速に摩耗します。選定:高クロム鋳鉄 ASTM A532 Class II。鋳肌のまま使用する設計とし、剛性の高い取付構造と組み合わせます。硬さだけが仕様ではありません。脱安定化熱処理の条件をご請求ください。
シナリオ 3|1,000°C まで昇温する熱処理炉のバスケット。 条件は高温下での持続荷重、繰り返しの熱サイクル、そして浸炭雰囲気の可能性です。炭素鋼では数週間でたわみ、スケールが発生します。選定:耐熱鋳鋼 SCH 系(ASTM A297 HK/HP 型相当)。炉内雰囲気に応じて等級を選び、均一な断面と大きなすみ肉半径を確保し、交換周期を設計段階で織り込みます。ここでの変形は使用上の特性であり、保証請求の対象ではありません。
見積依頼(RFQ)前の材料選定チェックリスト
材質等級のみを記載した見積依頼書は、部品が機能するかどうかを決めるその他すべての要素を、鋳造メーカーに推測させることになります。最も有効な見積依頼書は使用条件を記述し、サプライヤー側の冶金知見が関与できる余地を残したものです。次の項目をご記載ください。
- 使用環境:摩耗材の種類と粒径、衝撃エネルギーまたは頻度、最高温度と保持温度、化学的暴露、稼働デューティサイクル。
- 既存部品で観察された破損モード(更新品の場合)。写真を添えてください。耐摩耗部品の見積依頼において、単独で最も価値の高い情報です。
- 材質規格と等級。サプライヤーからのご提案を希望される場合は、機能要求としてご記載ください。
- 要求硬さの範囲と測定位置:表面、中間部、または指定深さ。
- 熱処理要求と添付を求める書類:炉温チャート、硬さ試験成績表、機械試験用テストピース。
- 衝撃値の要求と試験温度:JIS Z 2242 によるシャルピー試験を、常温ではなく実際の最低使用温度でご指定ください。
- 寸法公差等級(JIS B 0403 の CT 等級)と削り代。図面確定前に達成可能性をご確認ください。
- 非破壊検査の要求:磁粉探傷、浸透探傷、超音波探傷、放射線透過試験。合否基準と検査対象部位を明記してください。
- 数量、年間使用量、寿命の期待値。これらは価格だけでなく「正解そのもの」を変えます。
喬富紳鋳造(QFS)について
喬富紳鋳造(Chiao Fu Shen Foundry/QFS)は、高マンガン鋳鋼・高クロム鋳鉄・耐熱鋳鋼・合金鋼鋳鋼品・球状黒鉛鋳鉄による鋳造部品を製造する台湾の鋳造メーカーです。海外の OEM ならびに補給部品のお客さまへ供給しております。QFS は図面の材質記号のみに従うのではなく、使用条件を起点に検討いたします。技術部門が摩耗材の種類、衝撃エネルギー、使用温度、公差要求を確認したうえで、材質と熱処理工程をご提案します。
日本のお客さまとのお取引においては、段階的な改善(改善活動)の積み重ねと、長期的な取引関係を前提とした品質の作り込みを重視しております。初回ロットの合格ではなく、量産を通じた安定性こそが、鋳造サプライヤーの評価軸であると考えているためです。中核となる強みは、材質選定のご支援、熱処理条件の管理【要確認:炉設備能力および炉温記録の保管方針】、そして輸出実績にもとづく品質書類の整備【要確認:輸出市場、第三者検査の方針】です。
よくあるご質問(FAQ)
耐摩耗部品にはどの鋳造材料が最適でしょうか
単一の最適材料は存在せず、摩耗が「摩耗材主体」か「衝撃主体」かによって答えが変わります。衝撃が小さい滑走・エロージョン摩耗であれば、58〜64 HRC の高クロム鋳鉄(ASTM A532)が最も長い寿命を示します。繰り返しの高エネルギー衝撃であれば、使用中に加工硬化しつつ内部の靱性を保つ高マンガン鋳鋼(JIS G 5131 SCMnH/ASTM A128)が適切です。この二つの取り違えが、耐摩耗部品の不具合として最も多い原因です。
高マンガン鋳鋼はどのような場合に使用すべきでしょうか
繰り返しかつ顕著な衝撃を受ける部品にご使用ください。破砕機の歯板、マントル、ハンマー、破砕機の耐摩耗部品、鉄道クロッシングなどが該当します。本材料は衝撃によって初めて硬化層を形成します。衝撃の小さい滑走摩耗では加工硬化が起こらず、かえって性能が劣ります。また、使用にあたっては溶体化熱処理が必須であり、切削加工は困難かつ高コストです。
高クロム鋳鉄を衝撃用途に使用できますか
推奨いたしません。高クロム鋳鉄の耐摩耗性は多量の硬質クロム炭化物に由来しますが、それゆえに掘削型の衝撃では欠けや割れが生じやすくなります。脆性は設計上の代償です。適するのは滑走・エロージョン摩耗です。激しい摩耗と大きな衝撃が同時に存在する場合は、高マンガン鋳鋼を本体とする、あるいは複合・インサート構造とするなど、設計課題として再検討されることをお勧めいたします。
熱処理治具にはどの材質が適していますか
熱処理用のバスケット、トレー、治具の標準解は、JIS G 5122 の SCH 系(ASTM A297 の HH・HK・HP 型相当)クロム・ニッケル系耐熱鋳鋼です。等級選定は温度だけでなく炉内雰囲気にも従うべきで、浸炭雰囲気ではより高いニッケル含有量が必要となります。治具は均一な断面と大きなすみ肉半径で設計し、クリープによる変形は正常な使用特性として扱い、交換周期をあらかじめ計画してください。
材料選定は加工コストにどう影響しますか
大きく影響します。多くの場合、材料費そのものへの影響を上回ります。硬化後の高クロム鋳鉄と高マンガン鋳鋼は、通常の工具では実質的に切削できません。高マンガン鋳鋼は刃先の下で硬化し、硬化後の高クロム鋳鉄は研削するほかありません。球状黒鉛鋳鉄は被削性に優れ、加工量が多い場合には総コストで最も有利になることが多くあります。耐摩耗材料が必要な場合は、鋳肌をそのまま活かし加工面を減らす設計が、最大の削減余地となります。
見積依頼時に国際材質規格を指定すべきでしょうか
指定されることをお勧めいたします。JIS、ASTM、AISI、EN といった公認規格の指定は、見積の曖昧さを取り除き、検証可能な合否判定の基準をもたらします。ただし、あわせて使用条件もご記載ください。摩耗材、衝撃エネルギー、使用温度を把握した鋳造メーカーであれば、当初の図面よりも適切な材質や熱処理をご提案できる場合があり、木型製作の前に不整合を指摘することも可能です。
生産開始前に、QFS へ材質のご相談を
使用環境、摩耗の状況、図面をお送りください。QFS の技術部門が、摩耗材の種類、衝撃荷重、使用温度、公差要求を検討したうえで、適切な鋳造材質、熱処理工程、検査計画をご提案いたします。木型を製作する前、すなわち変更がまだ無償である段階でのご相談を歓迎いたします。
ご連絡をお待ちしております!下記の簡単なフォームにご記入いただければ、知識豊富なアドバイザーがすぐにご連絡いたします。
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